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木の上の少年
村道を歩いていると、少年が木に登って何か作業しているのが目に付きました。

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どうやら木の皮を山刀でこそぎ落としているようです。
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一緒に歩いていたおじさんに何をしているのか聞いたところ、害虫駆除とのこと。

にわかに興味を覚えます。
まず、写真に写っている木ですが、マメ科のモルッカネムの木です。
インドネシア語でSengon(セゴン)と呼ばれ、中山間地の村々のあちこちで目にします。
民族語のスンダ語ではJeungjin(ジェンジン)。

このセゴン、とにかく成長の早い木で、条件がよければ植えてから3年で高さ15m、直径15cmほどに育ちます。
こうした特長から比較的短期に収入を手にすることが出来るため、インドネシアのあちこちで植えられています。
1990年代には政府も普及に努めたことから全国的に広がり、全国セゴン化「セゴニゼーション(sengon + zation)」なる造語まで生まれた樹種です。

セゴンの材は柔らかく加工しやすいのが特徴で、合板などに用いられます。
日本のDIYショップではファルカタ材という名で売られているようです。

備忘録として記しておくと、現在、私が通う村々での材の売価は
12cmm × 20cm × 300cmの材(これを1balkenといいます)が20,000ルピア(約200円)。
苗木を植えてから5年ほどのセゴンの木1本からは、10 balkenほどの材が取れます。
いまこのセゴンの木は飛ぶように売れており、西ジャワの中山間地の村々での一番の収入源になっています。

さて、説明が長くなりましたが、写真の少年はこのセゴンの木を蝕む、カミキリムシ(たぶんアオスジカミキリ)の幼虫をこそげ落とす作業をしているのでした。
見ていると、山刀を腰に挿して、両手両足を使ってするすると木の上のほうまで登っていきます。
木の中ほどでカミキリムシの幼虫が材を食い荒らした糞のある場所を見つけ、木の皮ごと幼虫をこそげ落とします。


落ちてきた幼虫がこちら。
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ちなみにこの害虫駆除の作業をマメにしないと、材が食い荒らされて下の写真のようになってしまい、売り物にならないとのこと。

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それにしてもこの少年はわき目も振らずに一心に働いています。
邪魔すると悪いので話を聞く時間を持てませんでしたが、中学生か、中学を卒業したてぐらいの年齢だと思います。
こういう地道な苦労がきちんと報われることを願います。

私は人々がどうやって自然資源を利用して生活しているのかということに興味を持っているので、
このブログではこれからも折に触れて、このような里山での暮らしの様子をお伝えできればと思っています。


Sengon:Paraserianthes falcataria
K200D & Tamron AF18-250mm F3.5-6.3 Di II

by asang | 2010-05-07 22:23 | Livelihood
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