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カリマンタンの村 (#5)
ここで紹介している人たちは、ボルネオの先住民でダヤクと呼ばれる民族に属しています。
ダヤクは民族学的には40以上のグループに分けられ、
それぞれ○○ダヤク、というような呼び方をされるのが一般的です。
私が懇意にしている村の人たちはケニャ・ダヤクというグループに属します。

熱帯雨林での生活を体験したくて訪れたこの村で、私は、森林資源をうまく使いながら暮らす彼らの魅力に惹かれ、
ダヤクの文化や焼畑農業の仕組みについて、もっと深く知りたいと思うようになったのでした。
そんなきっかけから始まった付き合いが、15年続いています。
15年って、長いようであっという間ですね。

さて、ケニャ・ダヤクの人たち、その名前を聞いたことがなくても、
紀行番組などで目にしたことがある方も多くいるはずです。
ときに「長耳族」などとも称されるように、
耳に真鍮のリングを吊るし長く伸ばす習慣があったことで、世界的にも知られています。
もっともこの習慣も1950年代ぐらいまでのもので、現在では継承されておらず、
いまでは長い耳を持っている方も数少なくなっています。
長い耳は、やはり未開の象徴のように受けてられてしまうことが多く、インドネシアの近代化とともに継承されなくなった文化のひとつです。

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実は、伸ばしていい耳の長さはその人が属する社会階層によって決められており、
貴族出身など身分が高いとされている人ほど、長い耳を持つことが出来たのでした。
村のおじいさん、おばあさん達からそういった昔の習慣の話を聞くことができたのは、
私にとってとても幸運なことだったと思います。
残念ながらこの15年の間に、お世話になった多くの方々が亡くなってしまいました。


さて、このベビーキャリアーもダヤクの人たちが使う特徴ある日用品のひとつです。
木で作った枠に、ロタン(藤)のショルダーベルトをくくりつけ、赤子がすっぽりと納まるように作ってあります。
背面にはビーズで編んだモチーフがくくりつけてあり、とても華やかです。
赤子が森の妖怪にさらわれないように、獣の牙などを魔よけとして縫い付けてあります。
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村の方に頂いたベビーキャリアーを日本の実家にしまってありますが、
私が結婚し、子どもを持つような日は、いつになることやら・・・
日本でこれを背負って近所を散歩したら、話題になりそうですね。


1枚目 K200D & FA50mmF1.4
2・3枚目 K200D & DA*16-50mmF2.8

by asang | 2009-05-19 22:27 | Kalimantan
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